お知らせ
日本臨床歯周病学会 第44回年次大会参加報告
2026.6.27
目次
~人生100年時代における歯周治療とペリオドンタルメディシン~
歯科医師の竹村和樹です。
札幌で開催された日本臨床歯周病学会第44回年次大会に参加して学んだ内容について報告いたします。
今回の大会テーマは、「ペリオコタン ~人生100年時代の治療戦略~」でした。
コタンとはアイヌ語で「集落」を意味し、多職種が集まり、超高齢社会における歯周治療の未来を考えるという意味が込められています。
私が今回の学会で特に印象的だったのは、「歯周病は口の中だけの病気ではない」という考え方がさらに強調されていたことです。
従来の歯周治療は、
・歯を残す
・歯周ポケットを改善する
・出血や炎症を抑える
ことが主な目的でした。
しかし現在では、
・糖尿病
・心血管疾患
・認知症
・誤嚥性肺炎
・フレイル
・サルコペニア
などとの関連が数多く報告されており、
歯周病を全身疾患の一部として捉える「ペリオドンタルメディシン」という考え方が重要になっています。
ペリオドンタルメディシンとは、
歯周病を単なる口腔内疾患としてではなく、全身の健康と相互に関係する慢性炎症性疾患として管理する概念です。
例えば糖尿病との関係では、
糖尿病があると歯周病は悪化しやすくなります。
一方で歯周病による慢性炎症は血糖コントロールを悪化させることが知られています。
つまり両者は双方向に影響し合っています。
そのため歯周治療は単に歯を守るだけでなく、全身の健康維持にも寄与する可能性があります。
また、高齢社会との関連も非常に重要です。
高齢者が歯周病によって歯を失うと、
咀嚼機能が低下し、
栄養摂取が不十分となり、
フレイルやサルコペニアへ進行するリスクが高まります。
さらに身体機能や認知機能の低下につながり、最終的には健康寿命の短縮にも関与します。
このような背景から、
人生100年時代において歯周治療は単なる歯科治療ではなく、
「健康寿命を延ばすための医療」として位置付けられつつあります。
学会では、
・歯周組織再生療法
・非外科的歯周治療
・歯周形成外科
・インプラント周囲炎対策
・メインテナンスの重要性
などについて多くの講演が行われていました。
その中で共通していたメッセージは、
「治療して終わりではなく、生涯にわたり炎症をコントロールすることが重要である」
という点でした。
歯周病は慢性疾患であり、再発を防ぐためには継続的なメインテナンスが欠かせません。
今後の歯科医療では、
病変を見るだけではなく、
患者さんの全身状態や生活背景まで含めて考えることが求められると感じました。
今回の学会を通して、
歯周病治療の目的は単に歯を残すことではなく、患者さんの健康寿命を延ばし、QOLを維持することにあると改めて認識しました。
学会で得た知見を臨床に還元し、健康寿命の延伸に貢献できるよう日々研鑽していきます。
今回日本臨床歯周病学会にて学んだこと記載させていただきました。
ご不明点等がございましたら担当歯科医師もしくは担当歯衛生士までご質問ください。
信濃町、四谷三丁目の歯医者「医療法人社団歯友会 赤羽歯科 信濃町診療所」
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