お知らせ
なぜ虫歯で神経を取る必要があるの?
2020.10.20
目次
なぜ虫歯で歯の神経を取る必要があるの?
医療法人社団歯友会 赤羽歯科 信濃町 院長 大久保将哉です。
皆さんは虫歯になり、歯科医院を受診した際、神経を取らないといけませんと言われたことがあるでしょうか?
なぜ神経をとる必要があるのでしょうか、不思議に思ったことがある方も少なくないと思います。
理由は、神経の感染は不可逆性に陥ることがあるからです。
不可逆性とはどういうことかと言いますと、自己の再生能力がなくなってしまったということです。
神経の感染は不可逆性に陥ることがあります
転んで腕を怪我してしまい傷口から最近感染を起こしてしまい、病院を受診したとしましょう、
そこで医師から、感染が奥まで進んでしまっているので腕の神経をとりましょう。
このように言われた方はまずいないと思います。
腕の感染の場合、重度の糖尿病や、悪性腫瘍など、重篤な病気を除き感染を起こしても神経を取らないで済むのは腕のなかに無数の毛細血管、神経線維が存在しているからであり、
腕の一部の怪我であればこの毛細血管からの血液供給にて感染組織の再生をしてくれるからです。
一方、歯の場合は血管と神経が歯の内部に出入りする場所がごく一部に限られており一度感染を起こしてしまうと血液供給が間に合わずに神経が壊死してしまうのです。
交通事故で例えてみます。
渋谷駅前の交差点などを想像してみて下さい、交差点内で負傷者多数の交通事故が起きたとします、人命救助をしなければならない状況で緊急車両が現地に向かうための道路が多方面にあるので速やかに緊急車両が複数向かうことができます。
同様な交通事故が一本道の山奥で起きたとします、
緊急車両が現地に向かうことができる道が一本しかなかったとします、複数の負傷者を速やかに救助することが困難であることが想像つきます。
歯の内部の神経の感染は、この山奥で起きる交通事故に例えることが出来ます。
救助(血液供給)を待つ間に負傷者(感染部位)の体力、具合が悪化し適切な救助活動(血液供給による感染組織の排除や再生)が間に合わず助けることができない、
このような状況が歯には起こりうるのです。
歯の神経を取らなければならない状況があることをご理解頂けましたでしょうか。
次回のコラムでも皆様の疑問にお答えできるような記事を掲載して参ります。
医療法人社団歯友会 赤羽歯科 院長 大久保将哉
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