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症状の無い虫歯 歯周病

2020.6.15

目次

症状の無い虫歯 歯周病

医療法人社団歯友会 赤羽歯科 信濃町 院長 大久保将哉です

今回は症状が無いまま進行していく虫歯、歯周病の怖さについてお話させて頂きます。

皆様は健康診断や、人間ドックを受診して病気が見つかった、見つかった方がお知り合いにいるという経験はおありでしょうか

私の叔父も人間ドックを受診した際、初期の大腸がんと診断され早期に発見ができたこともあり抗がん剤投与を行わず、一回の手術で治療を終え、社会復帰することができました。

人間ドックを受診する前は体の不調はほとんど自覚がなかったようです。

身体の病気というものは細胞レベルの感染や、免疫異常、DNAの損傷、破壊、から始まります。
神経細胞などの異常であれば早期に痛みを感じることがありますが、初期段階の病気の始まりはは全く自覚症状がないことが多いです。

お口の中も同様です。
患者様の中には、腫れも痛みもないので大丈夫と思っている方が非常に多いように感じます。
虫歯の進行は虫歯の原因菌が放出する酸により歯が溶けてゆき、やがて歯の中にある神経に近づいてきて初めて痛みやしみを感じることが多いです。
歯が虫歯で溶けて穴があいてくると虫歯があると自覚できますが、一度治療を行い、つめものや、被せものを施した歯の中で隠れて虫歯が進行していく場合は全く気付かなく痛み出したときには虫歯がかなり進行してしまっているということがあります。
さらにかつて神経をとる処置をしている歯の被せもののなかで虫歯が進行していくと歯の内部がもろくなり突然折れてしまったり、虫歯が歯の根に広がり、さらに歯を支える骨まで到達し骨を溶かしていきます。
ここまで進行してしまうと治療期間が長期化したり、抜歯にいたるケースもあります。

痛くない、腫れがないイコール健康とは言い切れません、風邪を引けばウイルス感染してしまった細胞は細胞分裂にて再生しますが、歯の組織はごくわずかな欠損状態を除いて再生することはありません。

歯周病も同様に歯周病を引き起こす細菌が少しずつ歯を支える骨を溶かしてゆき進行が進むにつれて噛めない、歯が揺れる、腫れるなどの症状が出てきます。
歯を支える骨が溶けていく際に痛みが出ないのは歯周病の原因となる細菌が直接骨にダメージを与えるわけではなく、細菌が放出するサイトカインと呼ばれる特殊なたんぱく質が骨を溶かす自分自身の細胞を活性化させ自分自身の細胞によって自分の骨の細胞を溶かしてゆくのでその過程で骨が溶ける現象は痛みをほとんど感じません。
想像してみて下さい、人体のあらゆる骨は2年で入れ替わると言われています。
毎日古い骨が骨を溶かす破骨細胞によって溶かされ、骨を作る骨芽細胞によって新しい骨が作られ骨の量が一定に保たれています。
もしこの現象に痛みが伴えば毎日激痛に苦しみます。
古い骨の溶けるスピードが新しい骨ができるスピードより速くなると、骨粗鬆症になり、歯周病になり歯を失う原因になります。
細菌の毒素により骨細胞や歯肉がダメージを受け続けると痛みや、腫れがでてきます。
ですので歯周病の進行とともに痛みや腫れが伴う場合も伴わない場合もあります。

やがて歯周病が重度に進行していくと歯が抜け落ちてしまいます。

抜け毛が全く痛くないのを想像してください。
健康な髪の毛は引っ張ると痛いですよね、
朝起きて枕元に髪の毛が落ちている時痛みもなく抜け落ちている経験はおありでしょうか
代謝のために体が髪の毛を排除しているのです、歯周病で抜けてしまう場合は全く同じメカニズムとは言いませんが体に見捨てられた運命なのかもしれません。
歯は髪の毛のように再生してくれません。

症状を自覚されていなくても定期健診へ
また少しでも異常を感じるようでしたら赤羽歯科 信濃町へ迷わずご来院ください。

医療法人社団歯友会 赤羽歯科 信濃町 院長 大久保将哉
GCマイクロスコープ 講師